テラサイクルは、たばこの吸い殻や歯ブラシなど、これまでリサイクルされてこなかったゴミのリサイクルに取り組む世界的企業だ。CEOのトム・ザッキー氏(35)は、2012年に国連の「世界を変えるリーダー賞」を始めとする数々の賞を受賞してきた。
今回、「サステナブル・ブランド国際会議2017東京」に合わせて来日したトムに、都内のホテルでインタビューを行った。果たして、トムの思い描く理想とは―。
世界最大の生活消費財メーカーの米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は、海洋廃棄プラスチックを25%原料化したシャンプーの再生ボトルを世界で初めて開発した。今夏にフランスで販売する。ライバルのユニリーバーのCEO、Paul Polmanも同業他社に、海洋廃棄プラスチック対策を呼びかけた。グローバルメーカーのCSR(企業の社会的責任)活動が本格化してきた。
いずれもスイスのダボスで開いた世界経済フォーラム(WEC)の場で、公表された。今回のWECでは循環経済とリサイクルへのイニシアティブが、参加経営者の主要トッピクスとなった。
海洋プラスチックを利用した再生ボトルの開発に成功したのは、P&Gと環境メーカーのTerraCycleとSuezの3社。3社は「循環経済パートナーシップ」を形成している。今回の再生ボトル製造は、これまでで最大級のリサイクルボトルの生産になるとしている。
食品・消費財世界大手P&Gは1月19日、同社の主力商品で世界1位の市場シェアを持つシャンプー「H&S」の商品容器に、海洋廃棄プラスチックからリサイクルした素材を25%利用する試みを発表した。この取組のため、リサイクル関連事業企業TerraCycleとSUEZの2社とパートナーシップを結ぶ。海洋廃棄プラスチックを用いた容器を使ったシャンプーは、限定ボトルとして今年の夏に仏カルフールの店頭に並ぶ。同社によると、海洋廃棄プラスチックをシャンプー容器に使うのは世界初、使用済プラスチックを製品にリサイクル規模として世界過去最大。
25万トンものプラスチック廃棄物が、現在も海で漂流しているそう…
そのプラスチックゴミをなくすため、海の清掃を全面的に支援。
海岸をはじめ、世界で海をきれいに保つために、あらゆる水辺に漂流している硬質のプラスチックの回収をしているのが、テラサイクル・ジャパン!
そんなグローバルリーダーのテラサイクルが、新しいプロジェクトをスタートさせました。
米国を拠点に、世界中のリサイクルプログラムを指揮する組織「テラサイクル」を知っているだろうか。従来のように埋めたり、燃やしたりするのではなく、ごみに手を加えて再び役目を与えることを目的とする企業だ。2001年に設立されたこのユニークな組織を率いるのは、ハンガリー生まれのカナダ人、トム・ザッキー氏だ。この3月、世界のブランド・イノベーターや企業のCSR(社会的責任)担当者が集まり、持続可能な社会を形成するため意見交換を交わす「サステナブル・ブランド国際会議 東京 2017」が開かれた。この会議に登壇するため来日したザッキー氏にインタビューをする機会を得た。ひげモジャで気さくな人柄の大男だが、一度リサイクルについて話し出すと、真剣なまなざしで、豊富な知識を理論的に積み重ねる熱血漢だ。
プラスチックフリージャパンでは、『歯ブラシ回収プラグラム』に参加することになりました。
これまで廃棄されるだけであった使用済みハブラシをリサイクルする場を提供することで循環型社会へ貢献していきます。
トゥルースピリットタバコカンパニー(東京都港区)とテラサイクルジャパン(同目黒区)の2社は2014年4月、共同でたばこの吸い殻リサイクルを始めた。吸い殻のフィルターを樹脂製品の材料に再資源化する日本初の取り組みだ。
Terracycle Japan合同会社は、サンタフェ ナチュラルタバコ ジャパン株式会社と協働ではじめたプログラム「吸い殻ブリゲード」で地球環境基金にご寄付をいただきました。
「吸い殻ブリゲード」とは、吸い殻を回収して携帯灰皿や堆肥、紙などにリサイクルする取り組みで、参加者には回収した吸い殻の量に合わせてポイントが付与され、地球環境基金をはじめ環境NPOに寄付できるというものです。2015年11月から三菱地所・サイモン株式会社が商業施設として初めてこのプログラムに参加し、同社が展開する全国9カ所のプレミアム・アウトレットの指定喫煙場所から吸い殻によるポイントをご協力いただきました。
【初の取り組み】
トゥルースピリットタバコカンパニー(東京都港区)とテラサイクルジャパン(同目黒区)の2社は2014年4月、共同でたばこの吸い殻リサイクルを始めた。吸い殻のフィルターを樹脂製品の材料に再資源化する日本初の取り組みだ。
トゥルースピリットの冨田大介マネジャーは「『大地に責任を持つ』というブランド理念を社会に伝えるため」と、リサイクルを始めた理由を語る。同社は無添加たばこを製造・販売するため、タバコの葉にこだわる。土壌汚染や異常気象で高品質な葉が調達できなくなると事業に影響するため、環境保全を理念とする。
テラサイクルは米国のベンチャー。再資源化が難しい製品をリサイクルしてほしいという企業の要望に応えるビジネスモデルで、23カ国に事業を拡大してきた。吸い殻も再資源化されていなかった。
リサイクルはテラサイクルの協力工場で実施する。まず吸い殻を回転装置に投入して吸い殻と葉を分離。テラサイクルの小林沙聡ディレクターは「比重の違いを使って葉だけを取り除く回転を導き出した」という。次に殺菌と消毒を施し、再び比重差を使ってフィルターに付いていた紙を除去する。その後、フィルターをポリエチレン製の袋に詰める。
サステナブル・ブランド国際会議2017東京で、テラサイクル創業者のトム・ザッキーCEOが登壇した。テラサイクルはP&GやJTなど、さまざまな企業と連携してリサイクルを推進している。多くの廃棄物が海に捨てられており、そのうちリサイクル可能なのはわずか数パーセントで、それ以外は焼却している。日本では廃棄物の7割を焼却しているという。ザッキーCEOは、廃棄する以外に何か方法はないかと考えて、テラサイクルを立ち上げた。